ヒラドツツジ [別名]   ツツジ科 常緑/低木
[高さ] 植栽時:0.4m〜0.6m 庭木高:1.0m〜1.5m

 
■庭の景色

 道路と庭の境に、生垣の代わりに植栽されたツツジ類。高さに変化を付け、半球状にきれいに刈り込まれたそれぞれの株は、時には重なり合い、あるいは連なり合い、それぞれの花を見せ始めている。純白のリュウキュウツツジ、淡紅色に紅い斑の入ったヒラドツツジ、花も葉もやや小型のクルメツツジ、そして葉も花も大型のオオムラサキツツジは、その名の通り紫紅色の花を咲かせている。

 初夏の若緑色の葉を背景にした、色とりどりのツツジ類の花の競演は、街並の中でもひときわ輝いて、道行く人の顔に、色が映るかとも思えるほどの鮮やかさを見せている。

■植栽のポイント

 ツツジ類は、日本の庭でサツキと共に最も多く植栽されてきた灌木類といえる。各地に自生していたヤマツツジの仲間から、多くの園芸種が作り出され、それらがまた変種や改良種を生みだし、今日見えるような多彩なツツジ類の仲間ができたといわれれる。

 造園的にはオオムラサキツツジがずば抜けて多く利用されるが、多くのツツジ類の中から、もっと多様な種類が利用されても良いと思われる。

 庭では、根締めや玉作り、列植、生垣などさまざまに使われるが、管理の際には刈り込まれることが多い。植栽する場合には、単植より群植や列植などと、数株以上まとめて植えることが一般的である。

■手入れのポイント

 普通は刈り込みによって、それぞれの形状を維持する。萌芽力は強く、時には太い枝まで刈り込まれることがあっても、すぐ回復して樹形を作り直せる。

■その他

野生種 ツツジ類は、園芸種以外の野生種にも美しい種類が多く、庭にもぜひ使いたいものである。たとえば、ヤマツツジ、ヒカゲツツジ、レンゲツツジなど。

病害虫 病害では、もち病、褐斑病、花腐菌核病、白紋羽病など。虫害ではベニモナオリンガ、ルリチュウレンジ、ツツジグンバイ、ハダニなどによる被害がある。

 
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